第三弾「季節到来!清酒製造工程 その1」


当サイト制作 竹内(日本酒の知識ゼロ)が素朴な疑問で
千古乃岩酒造の秘密に迫る「千古乃岩酒造とは」第三弾!
「季節到来!清酒製造工程 その1」

<竹内>(以下T)
今回は、酒蔵取材の醍醐味!仕込みをレポートします!
よろしくお願いします!!

<酒蔵の製造担当 中島大蔵さん(以下D)
はい。では、製造工程に従って説明していきます。

まず、仕込みの元になる酒母(しゅぼ)をつくります。
酒母をつくるためには、蒸米・米麹・水・酵母が必要です。
今回は、原料である蒸米・米麹を説明します。



■千古乃岩酒造では
井戸水を使用しています。

酒母

■日本酒を
仕込む元に
なるもの。

■蒸米に麹菌をまぜ、つくります。
■蒸米を糖化させます。
蒸米
■麹用とは別に用意します。


酵母
■もろみを発酵させます。

原料
玄米
精米
浸漬
蒸し
蒸米

<D>
玄米を精米します。
70%、60%、35%など、製造銘柄により精米率を変えます。

<T>
35%!?半分以上削ってしまうんですね。
いつも食べている白米とは違い、まん丸ですね。



<D>
余分なタンパク質、脂質などを取り除くことで、
雑味の少ないおいしいお酒が出来るんです。
そして洗米し、浸漬(しんせき)という工程に進みます。
米を水に漬けるのですが、
この装置(
下写真)を使い、 一度に500kg以上の米を
水に漬けるんですよ。


<T>
500kg・・・どれくらいの時間漬けるんですか?

 ←上部に米と水が入っています。

<D>
60%精白の米で12分〜12分30秒です。
35%精米だと9分〜9分30秒です。
水温、気温、湿度、精米してからの期間などによって
米の状態を見ながら時間を決めます。

 ←浸漬後の米

<T>
目を信じる・・・職人技ですね!

<D>
これには、長年の経験が必要となります。
この後、この洗米を翌日の早朝より蒸気で約55分間蒸すと
蒸米の出来上がりです。


製麹
蒸米
種付け
引込み
切返し
盛り
積み替
仲仕事
仕舞仕事
出麹

<D>
次は製麹(せいきく)
です。
蒸米に麹菌を繁殖させたものを麹といい、
麹をつくることを製麹といいます。

うちは超醇麹(ちょうじゅんこうじ)という
独自の麹を製造しています。
前回説明したので(詳しい説明はこちら)
さらっと説明しますね。

種麹のことを「モヤシ」と言います。
うちでは「吟香」というモヤシを使っています。



<T>
こんなに少しの麹菌が、
麹室(こうじむろ)で蒸米とまぜられ、
布でくるんで保温して
大切に大切に静かにゆっくりゆっくり時間をかけて
増殖させて いくんですねぇ・・・

<D>
そうです。
数時間置きにまぜたり積み替えたり(製麹工程左記参照)
しなければいけないので仕込みの時期は緊張の連続なんです。


<T>
おや、なぜこの麹は波型に盛ってあるのですか?

<D>
38度になったら波型にします。
波型にするのは、
空気に触れる表面積を大きくし乾燥させるためです。
麹の品質が35度〜37度に上昇する温度帯で
雑味の元となる酵素が多く生成されるので、
この温度帯を早く通過させます。
また、麹を締める為に乾燥させながら48度近くまで上げます。
この麹を数粒奥歯で噛むと
栗のように甘い香りと味が 口中に広がります。
締まった麹は、 キレの良い緊張感のある酒になるわけです。




完成した麹は麹室から出し、(出麹)冷まします。
冷ます時も波型にすることで、
早く全体的にムラなく冷ますことができます。



<T>
なるほど。(出麹をしばし鑑賞)
う〜ん、なんだか栗の香ばしい香りが・・・

ここでちょっと味見をさせていただきます!

・・・おいしい!
匂いだけでなく味も栗なんですね。
これが前回教えていただいた、超醇麹なんですね。


次回、
大きなタンクからあふれる
泡の正体は?



「季節到来!清酒製造工程 
        その2」に続く。


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